【本当に必要ないですか?】ダイビングでスノーケルを携帯すべき理由を解説
こんにちは、1年中ダイビングで海を楽しむタイプの淳です。
- ダイビング器材のスノーケルは必要なのかな
- レギュレーターで代用できるから不要じゃないかな
- 水中マスクのストラップにつけていると邪魔になるな
実際に使うこと少ないので、最近はスノーケルをつけずにダイビングするようになっている人もいらっしゃるのではないでしょうか。普段のダイビングでは使わずに終わることが多いダイビング器材「スノーケル」は本当に必要なのだろうか。この疑問はほとんどのダイバーが一度は考えることです。
私は、伊豆のダイビングポイントを中心に約10年間のダイビングを経験してきました。8年もの間ファンダイビングを経験した後、NAUIダイブマスターを取得した現役ダイバーです。
この記事では、スノーケルが重要なダイビング器材であることの解説と安全のためコンパクトなスノーケルを持つことを提案しています。
この記事を読めば、スノーケルは緊急事態に備えた重要なダイビング器材であることが理解できます。コンパクトで携帯性が高いノーチラストラベルスノーケルの便利さがわかります。
水中マスクにスノーケルをつけることにストレスがある人や最近スノーケル持たずにダイビングしていた人は、ダイビングの安全性を高めるためにぜひ最後まで読んでください。
スノーケルの基本構造と選び方
- スノーケルは、スノーケルトップとパイプ、ホルダー、マウスピース、排水バルブ、排水室の構造からできている
- スノーケルを選ぶときは、長さとパイプの直径に注意する
スノーケルの構造
スノーケルパイプは主に3種類あります。
- アルファベットの「J」の形に似たストレートタイプ
- パイプの先端が効率よく水面に出るように湾曲しているタイプ
- パイプとマウスピースを繋ぐ部分が蛇腹になっているタイプ
スノーケルパイプが顔の側面に沿うように湾曲したタイプで、途中マウスピースまでが蛇腹になっているスノーケルが一般的です。また、パイプ自体も水流の影響を受けにくいように、楕円形にするなど工夫されている商品もあります。
スノーケルトップにも種類があります。
- パイプ切り口が真っ直ぐで水が入りにくい構造がないストレートタイプ
- カバーは付いていないが先端を斜めにカットして対策しているタイプ
- 水が入りにくいカバーがついているドライタイプ
ドライタイプは、日本アクアラングでスプラッシュガード、Gullでドライアッパーと呼ばれているものです。
マウスピースはスノーケルを口に咥えて呼吸をする部分です。口元に持って来やすくするために、スノーケルパイプとマウスピースの間を蛇腹状にしている商品が多いです。写真に写っているオレンジ色のスノーケルは、マウスピースの付け根が可動式になっています。
排水室と排水バルブはオプションの機能で、商品により有無や形状が異なります。排水室は、スノーケル内に入った水が口に直接来ないように空間を確保します。これにより水を飲んでしまう可能性が減ります。排水バルブは、強く息を吐いてスノーケル内の水を排出するときに、逆止弁を使いマウスピースから近いスノーケルの下側からの排出を助けます。これにより、スノーケルトップまでパイプに入った水を吹き飛ばすより楽に水を排出できます。
スノーケルの選び方
- 長さが40cm前後で極端に長くも短くもないか
- パイプの太さが極端に細くないか
- マウスピースの大きさと形状が自分に合っているか
- マウスピースを口元に持ってきやすいか
- スノーケルの先端から水が入りにくいか
- スノーケル・クリア、水の排出がしやすいか
普段は使う場面は少ないので、こだわりを持ち過ぎる必要はありません。長さとパイプの太さだけは、呼吸抵抗に影響があるので注意して選ぶ必要があります。
スノーケル以外に必要なダイビング器材は、こちらの記事でご紹介しています。
ダイビングに必要な器材・道具をまとめて紹介している記事はこちら
スノーケルが重要なダイビング器材である理由
- 水面移動をするときに呼吸の確保が楽になる
- オープンウォーターダイバーの学科講習で学ぶ器材にスノーケルが含まれる
- オープンウォーターダイバーのプール講習でスノーケルを使ったダイビング技術を学ぶ
スノーケルは水面を移動するときに顔を水につけて泳ぐ姿勢のまま、口から呼吸ができるダイビング器材です。スノーケルを使えば顔を上げずに体力を温存しながら、息継ぎの上手い下手に関わらず泳げます。
スノーケルの正しい使用方法は、全てのダイバーにとって基本的な技術だからこそ、ダイビングライセンスの学科講習で学び、ダイビング技術の講習を受けます。例えば、学科講習で説明されるダイビングコンピューターや水中ライト、フロート、ナイフはプール講習では使用方法の練習やテストをしないです。スノーケルを使って泳げることが大切なことが現れている部分です。
オープンウォーターダイバーの学科テキストでは、スノーケルの必要性を次の通り解説しています。
スノーケルがなかったら水面を泳いで下を見ている時に、息をするのにいちいち顔を上げなければなりません。そんなことをしていたらすぐに嫌になってしまいます。スノーケルがあれば、顔を上げなくても泳ぎながらずっと下を向いていられます。こうすることで水面を泳ぐ場合にはエネルギーを浪費しないで済みますし、スクーバタンクの空気も節約できます。
第一にスノーケルがあれば水面で休んでいる時や泳いでいる時にタンクの空気を使わずに顔を水につけたまま水中を見ていることができます。第二に水面が少し波立っている時にスノーケルをしていないと波飛沫が口に入ってしまいますがスノーケルは高さがあるのでくわえていれば飛沫が口に入りません。第三にボートや岸からまだ距離がある時でタンク内の空気が少なくなってしまった時スノーケルがあれば顔を水につけたまま休むことができるので泳いで帰るのが楽になります。
スキンダイビングやスノーケリングの項目ですが、スノーケルがあれば呼吸のたびに顔をあげないで済むので水中を楽に見ることができます。顔を水につけて休みながらなら1日中でも水面に浮かんでいることができますが、息を吸うたびに顔を上げなければならないとしたらすぐに疲れてしまいます。
オープンウォーターダイバーのプール講習、限定水域で学ぶダイビング技術で主だったものは次の通りです。
- ブラスト法でスノーケル・クリアをして、水から顔を上げないでそのまま呼吸を再び始める
- 水から顔を上げないで、スノーケルとレギュレーター交換を何度か繰り返す
- スクーバ器材を装着して、スノーケルを使って呼吸しながら50m以上の距離を水面移動する
- 水面から、ヘッドファーストでのスキンダイビングして、スノーケルクリアをして呼吸する
- 400mのスノーケリング
スノーケルをつけたくない本当の理由を考察
- レギュレーターで代用できるのでスノーケルは不要と感じる
- 水中マスクがずれる、外れる可能性にストレスを感じる
スノーケルでできることの多くは、レギュレーターでもできます。水面移動も、波立つ水面での待機も、エントリーエグジットもレギュレーターできます。海の状況が悪くて波をかぶることがあっても、スノーケルのように先端から水が入ることがなく、レギュレーターは呼吸ができます。
水面でのタンクの空気消費は、水中に比べて軽微です。ダイビング時間に影響が少ないレベルで空気を節約するより、水を誤って飲んでしまうリスクが低いレギュレーターを使う方が合理的です。
でも、スノーケルが本当に活躍するのは、空気シリンダーが空になってレギュレーターが使えなくなったときです。
- ダイビング中にシリンダー内の空気がなくなり浮上し、エグジット場所まで自力で向かう
- レギュレーターなどのトラブルでシリンダーの空気がなくなり、エグジット場所まで泳いで戻る
このような水面を長い距離泳いで移動するトラブルに直面した場面で、スノーケルは役に立ちます。
ほとんどのスノーケルにはスノーケルホルダーがあり、水中マスクのストラップに付けるようになっています。水中では使えないのに、ダイビング中はスノーケルがずっと顔の横にぶら下がった状態です。
スノーケルは波や潮の流れが早い場所では、水の抵抗を受けて揺れたり引っ張られたりします。水中マスクにスノーケルが受けた影響が伝わり、一緒に引っ張られ「水中マスクがずれる可能性・感覚」が嫌な方も多いのではないでしょうか。
水中マスクに水が入ることにストレスを持つ方は大勢います。水が入ってきて驚いたり不快に感じるのは普通の反応です。そのため、慌てず対応できるように、オープンウォーターダイバーのプール講習、限定水域でもマスククリアやマスクなしで泳ぐ講習があります。
また、スノーケルホルダーが、こめかみに押しつけられて煩わしさを感じることもあります。
普段使わないものを水中マスクにつけておく必要はあるのかな?
スノーケルはダイビングしている間、別の方法で携帯しておいて、必要な時に使えれば良いという考え方もあるということです。
「ノーチラストラベルスノーケル」(日本アクアラング)は、コンパクトに丸められて邪魔にならず、BCDのポケットに入れておける良い商品です。
コンパクトな折りたたみ式スノーケルを持つ
- 専用ケース大きさは、直径約8.5cm厚さ約5.5cm
- スノーケルの長さは、約40cm
- スノーケルを丸めて専用ケースに収納し携帯できる
- スノーケルはシリコーン素材で柔らかい
- 排水バルブは付いていない
専用ケースはシリコーン素材ではなく、硬いプラスチック素材です。隙間が約7cm開いていてスノーケルの出し入れをします。蛇腹の模様はありますが隙間は開きません。極力小さく丸めたスノーケル本体をギュウギュウと押し込める形で収納します。取り出すのも収めるのも力が必要です。自然と飛び出す心配はない程の力が要ります。
スノーケルは全体がシリコーン素材で柔らかく、ツヤありの黒色で滑り難く専用ケースから飛び出しにくいです。専用ケースから取り出せば自然と元のスノーケルの形に伸びるため、慌てていても取り出すだけで使えます。スノーケルパイプは楕円形で水の抵抗を和らげる配慮がされています。柔らかい素材ですが楕円形になっていることで使用時に前後方向へ折り曲がり難いです。スノーケルトップは斜めになっていて、水が入りづらいように配慮されています。
残念ながら排水バルブは付いていません。丸めて保管するのでスペース的にも仕方ないと思います。でも、直接口元に水が来ないように排水室はあります。ボタン式のスノーケルホルダーはあり、水中マスクのストラップへスノーケルを取り付けできます。
ノーチラストラベルスノーケルとGULLのスーパーブリットの長さと形を比較した写真です。ノーチラストラベルスノーケルの方が少し短いです。
スノーケルを折りたたんで専用ケースに入っている状態だと、こんなにもコンパクトです。
専用ケースはBCDのポケットにも十分収まるサイズです。ただ、BCDのポケットを閉め忘れたりすると、落としそうな感じもします。専用ケースに入れずそのまま丸めて入れておいたほうが、スノーケルが伸びようとしてボケットの内側に張り付いて落とさないかもしれません。
スノーケルを丸めて専用ケースに収納するのに手間がかかり、何度も専用ケースから出し入れする普段使いには向いていません。また、細かな機能や性能を比べると通常のスノーケルには敵わないので、ノーチラストラベルスノーケルは緊急時に備え携帯しておく位置付けの商品と言えます。
ノーチラストラベルスノーケルのメーカーは、アクアラングでダイビング器材の世界的リーディングカンパニーです。世界100ヶ国以上で販売されているアクアラングは、1943年に世界初の「レギュレーター」を開発したことから始まったメーカーです。
排水バルブがなかったりスノーケルホルダーがボタンで簡易的だったりと機能は必要最小限ですが、決して安っぽさを感じる商品ではありません。
まとめ:スノーケルは1つ必ず携帯しよう
- スノーケルは、スノーケルトップとパイプ、ホルダー、マウスピース、排水バルブ、排水室の構造からできている
- スノーケルを選ぶときは、長さとパイプの直径に注意する
- 水面移動をするときに呼吸の確保が楽になる
- オープンウォーターダイバーの学科講習で学ぶ器材にスノーケルが含まれる
- オープンウォーターダイバーのプール講習でスノーケルを使ったダイビング技術を学ぶ
スノーケルの構造と、水面を泳いで移動するときに重要なダイビング器材であることを解説しました。
- レギュレーターで代用できるのでスノーケルは不要と感じる
- 水中マスクがずれる、外れる可能性にストレスを感じる
スノーケルは顔の横にずっとあるのにほとんど使わないので、持って行きたくなくなる気持ちも理解できます。でも、トラブルに遭遇した緊急時にこそ必要なダイビング器材です。教科書通り水中マスクのストラップにスノーケルを付けていなくても、何らかの形で携帯しておくことでダイビングの安全性が向上します。
- 専用ケース大きさは、直径約8.5cm厚さ約5.5cm
- スノーケルの長さは、約40cm
- スノーケルを丸めて専用ケースに収納し携帯できる
- スノーケルはシリコーン素材で柔らかい
- 排気バルブは付いていない
「ノーチラストラベルスノーケル」はBCDにぶら下げておいたり、ポケットに入れておいたりできる折りたたみができるスノーケルです。ぜひ検討してみてください。
では、また。どこかの海で。